好調だった4-6月期業績発表
設備投資は2ケタ増、賃金も前年比増

 企業の売り上げや利益については、7月から8月の半ばごろにかけて行われた4-6月期の企業業績発表が参考になります。東証一部上場企業全体(金融を除く)では、売り上げが前年同期比+5%、営業利益は同+10%となりました。

 昨年度は過去最高益を更新した後ですし、企業が発表している今年度通年の利益成長の見通しがプラスマイナス・ゼロ近辺ですので、4-6月期の企業業績は良好と言えます。なかでも、情報通信、電気機器、輸送用機器等のセクターが事前予想を上回り、好調な業績となりました。4月と比べると円安・ドル高が進んだこと、グローバル景気の拡大が続く中、海外売り上げが好調だったこと等が要因になっていると見られます。

 企業は、ものすごく良好とはいえない経済環境ながら、創意工夫によって好調な業績を上げていると考えられますが、そういった業績を裏付けとして企業はどういった経済活動を行っているのでしょうか。まず、設備投資の状況を見ます。

 設備投資は、内閣府が発表している機械受注が参考になります。これは6月分まで発表されていますが、6月のデータはかなり弱く、前月比▲8.8%で製造業、非製造業ともにマイナスでした。特に製造業のマイナスが大きくなっています。米国の強硬的な通商政策を受けて企業が機械設備の発注を一旦様子見した可能性があります。

 日本政策投資銀行が今年の6月に行った調査結果によると、大企業(資本金10億円以上)の2018年度国内設備投資額は、全産業で前年比+21.6%の大幅増となる見込みです。これは7年連続の増加で、伸び率としては38年ぶりの高さです。

 製造業は同+27.2%増、非製造業は同+18.5%増でいずれも2ケタの伸びが見込まれています。中でも製造業は、自動車の電動化などのモデルチェンジ対応や、自動車向けを含む能力増強・省力化投資が幅広い業種で増加する見込みで、非製造業は、運輸、不動産で都市機能拡充に向けた投資やサービスなどでインバウンド対応の投資が続くほか、人手不足に対応した店舗、物流投資も増加する模様です。

 次に、設備投資に並んで重要な企業活動である雇用や賃金の状況を見ます。

 過去数年、日本企業の業績は傾向的に伸び続けてきましたが、その割には賃金の伸びは低く抑えられてきました。現在の景気拡大は2012年12月に始まりましたので、既に6年目に入っています。また、有効求人倍率は6月に1.62倍と、1974年1月以来の高水準となっており、人手不足感が高まっています。こういった状況下、徐々に賃金上昇率は高まってきています。

 6月の毎月勤労統計によると、名目賃金は前年比で+3.3%となりました。これは97年1月以来の高さです。また、日経新聞が集計した夏のボーナスの支払い状況は前年比+4.2%と、企業は利益の従業員への還元に徐々に前向きになってきている印象です。