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妊活・避妊もアプリの時代、米FDAが「医療機器」として認める

井手ゆきえ [医学ライター]
【第406回】
妊活・避妊アプリとは?Photo:PIXTA

 妊活にせよ、避妊にせよ、カップルにとってバースコントロールは大きな問題だ。

 日本では荻野久作博士(1882~1975)の「オギノ式」が有名。荻野博士は世界で初めて「排卵は次回月経が始まる12日前から16日前の5日間に起こる」という法則を発見し、これを基に「受胎法」を世に送り出した。

 「避妊法」と誤解されているオギノ式だが、本来は「子なきは去れ」という因習に苦しめられる農村の女性を救う “妊活法”だったのである。実際、オギノ式で避妊を試みても、失敗率は10~25%と、避妊法とはとてもいえない。

 オギノ式のように、排卵周期に基づくバースコントロール法は一括して「リズム法」と呼ばれる。

 先日、米食品医薬品局(FDA)はリズム法に基づくバースコントロールアプリ「Natural Cycles」を承認。世界で初めて同種のアプリを「医療機器」と認めた。同アプリは、毎朝体温を測定し、数値を入力すると排卵周期をフォロー。個人のデータから毎月4~5日間の「妊娠可能日」を割り出し、画面に表示する仕組み。

 妊娠を望む場合は雰囲気づくりを心がけ──互いに萎えない程度に。避妊中はセックスを避ける、確実な避妊法(コンドームの装着)を併用する、などの対策がとれる。

 承認に向け1万5570人の女性を対象に行われた臨床試験結果によると、同アプリを1年間利用した場合(Perfect use)、避妊失敗率は1.8%。低用量ピル、避妊リングに次ぐ有効性が示されており、「妊娠可能日」の正確さを逆手にとれば、妊活に利用できる。

 一方、普通に(Typical use)使った場合の失敗率は、6.5%だった。おそらく入力データの不備や他の避妊法を併用しないことが影響したのだろう。

 リズム法のメリットは、ホルモン製剤の副作用リスクを避けられる点だが、性感染症リスクは免れない、使い方次第では効果が激減することに注意が必要だ。

 同アプリは各ストアから18歳以上が購入できる。年間の使用料は専用の体温計付きで80ドル前後(およそ8800円)である。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 


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