島村 そうですね。現実の数値と向き合い、どのように組織の成長に繋げるかが大切だと思います。また、このマネージャー向け研修は、内製化して行われているようですが、研修の内製化の理由もリアリティと納得感を追求した結果ということなのでしょうか?

原田 その通りです。単に研修を内製化すればよいということではありません。社内講師に比べて外部講師が明らかに優れている場合などです。将来的に必要な研修は、その継続性がとても重要になってきます。

 加えて、研修テーマに自社の製品が絡む場合などは、内製化を検討してもよいと考えます。毎年、「ここをこうすればよかった、こうしていこう」など課題が見つかるものです。自分たちでリアルタイムに工夫を懲らしていくことができるのも大きな利点です。それを積み重ねることで、研修を自分たちのものにできますし、その研修で育った人が増えれば共通言語もでき、そして教え合う文化が定着するというメリットがあると思っています。

島村 メンターシップ制度とマネージャー研修についての考え方、それから、前回伺った新人研修には、現場でのアクションに繋げようという共通する考え方があるように思えてきます。

原田 研修というのはどこか実験的なところもありますので、自分たちなりにしっかりとしたエビデンスを取りながら進めることが大事になってきます。教育というのは、テストの点数で効果を図れる側面と、定量化しづらい側面の両方があります。なぜこの研修が必要なのかと問われたときのためにも、定性的にでもそれに対して説明することができるデータを積み重ねながら着実に職場の変化に繋げられるよう、日々医薬教育部全員で取り組んでいます。

【まとめ】
研修での学びをアクションに
繋げる3つのポイント

 大鵬薬品工業は、研修転移(Transfer of Training)の促進を戦略的に行っている代表的な企業です。研修での学びをいかに現場のアクションに繋げるのかという研修転移には、大きく3つのポイントがあります。前回の大鵬薬品工業の取り組み事例と関連付けながら紹介します。

 まず1点目は、”学習した内容について、現場での活用を類推させる”というアプローチです。前回の事例では、企業理念を「自分ごと化」させるために、ビデオ学習によって病院の現場をリアルに感じさせ、そこから言語化する取り組みの紹介がありました。