現場に頼り切らずに、リーダーの役割を果たす
ムーギー:高宮さんの仰るように、ハードとソフト、両面の仕組みが必要だということが分かりました。
とはいえ、何か変えよう、変わろうとなった時に、人って「本当にそれ大丈夫なの?」と思うことが多い。自信が持てずに、頑張れない人も多いと思うんです。
高宮:現場のメンバーを含めた一人一人に対して、主体性とリーダーシップを期待して、一人一人が腑に落ちれば、自立的に動いて勝手にと実践されるというのは、若干楽観的すぎると思います。
現場のメンバーにそこまでリーダーシップや自立性を求めるのは酷かもしれませんし、属人的すぎて再現性がありません。そういう意味で言うと、トップの役割がより重要になってくるかもしれないですね。
トップ自身が「変わらなければならない」と腹落ちしていて、その上で目標を示しつつ、現場の人が出来るように仕組みや制度で後押しをしてあげる。
例えば現業の予算精度を1%で合わせなきゃいけないような成熟した事業に対しては、減点法的な評価でもいい。けれど新規事業のような話では、10発で1発当たれば御の字みたいな、より挑戦をしやすい加点方式にするとか。
現場が動けるように制度でバックアップしたり、カルチャーづくりをしたりする。究極、それらは全部、リーダーの仕事なんじゃないかなと、個人的には思いますね。
ムーギー:リーダーのコミットメントの重要性も、まさしく『ブルー・オーシャン・シフト』が扱う重要ポイントの一つです。
新しいことを始める際には、現場の人だけに頼ってもダメで、トップマネジメントのコミットメントが無ければ組織は動かない、ということですよね。
高宮:自分が定めたゴールに向かっていく、組織が向かえるためのお膳立てを全部してあげるのが、トップの役割なんだと思います。
(後編へ続く)