バイオ医薬品会社は市場で最もリスクが高いセクターの1つだが、リスクはさらに高まっているのかもしれない。バイオ医薬品会社の大型買収が最近干上がっている一因はそれだ。米投資銀行ジェフリーズ・グループのデータによると、上場株式の時価総額が1億ドル以上の米バイオ医薬品企業の買収は年初来で4件となっているが、5月以降では1件もない。昨年は5件、2016年には8件の買収があった。それでも歴史的基準に照らせば、買収活動はかなり活発と言えるが、多くの投資家はそれ以上に活発な年になると予想していた。収益がないにもかかわらずバリュエーションが高いというのも、買収が少ない理由の1つだが、すべての説明がつくわけではない。S&Pバイオテクノロジー・セレクト・インダストリー指数は最高値を10%近く下回っているため、買い手は高いバリュエーションを嫌気しているわけではなさそうだ。米バイオ医薬品大手ギリアド・サイエンシズが昨年の夏にがん免疫治療薬のカイト・ファーマを119億ドルで買収したように、今年実現してきた買収の合意額は高額となっている。