米政権の通商交渉は、カナダ、メキシコ、韓国、欧州などの同盟諸国との間では前進している。一方で、中国との貿易摩擦は手に負えなくなるばかりだ。世界の二大経済国による関税合戦は、数年先まで持続される公算が大きい。他の貿易を巡る争いでは、ドナルド・トランプ大統領は関税をてこにして、交渉を合意に持ち込む作戦だった。自動車関税の脅しは、新たな北米自由貿易協定(NAFTA)を結ぶという米国の要求に応じるようカナダとメキシコを説得するのに役立った。「関税がなければ、われわれが協議することはなかっただろう」。トランプ氏は10月1日、ホワイトハウス内のローズガーデンでこう語った。中国は事情が異なる。関税は米国にとって単なる交渉戦術ではない。経済的誘因を変化させるための手段なのだ。
米国の対中関税、長期戦へのパラダイムシフト
同盟国との貿易交渉とは全く事情が異なる
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