上司が取り組みを褒めてくれると実感できれば、成果が出なかったとしても、取り組んだこと、頑張ったことに自信が持てるようになる。本人が失敗した時も素直に認めるようになり、そんな上司に対して親近感を持つようになるだろう。そうすれば信頼関係も生まれやすくなる。

 これもモンペの子との接し方で重要なポイントと言える。なぜなら、モンペの子は極度に親に依存しているケースが多いため、親以外に信頼できる人を見つけることが重要であるからだ。

親にコントロールされる状況が長期化すれば
モンペの子は自信が持てなくなる

 モンペの子は、親によってあらゆる言動をコントロールされる。その子がやりたいことがあっても親から「ダメ!」と否定され、好奇心や挑戦意欲が封じ込められる。わかりやすく言えば、洗脳である。

 子ども本人は自覚していないかもしれないが、新興宗教にハマった人の心理状態のようなもので、子どもにとってはモンペの親が教祖なのだ。その状態が長期化すれば、あらゆる判断を親に依存するようになる。そのため自分の行動を考えたり、自分が信じた通りにやってみたりする自信が持てなくなる。

 そこで先ほど述べたように、上司が仕事に取り組む姿勢などを評価すれば、自分は自分のままでいいと実感しやすくなる。自分の価値や考えを素直に信じられるようにもなる。この感情を心理学で自己肯定感という。自己肯定感が高い子ほど親への依存度が低くなり、社会人としての自立心も伸びやすくなる。

 上司は部下の短所や欠点ばかりに目が行きがちだが、長所や才能に注目し、部下の良いところを引き出す努力が必要だろう。上司が個性を認めれば、部下の自己肯定感が高まり、他人と比べることをやめて、失敗を恐れずに自分に与えられた課題に取り組むようになるからだ。

 モンペの子は元々親の言うことをよく聞く素直さがあり、根が真面目な人も多い。手間と時間がかかる作業であるが、彼らに組織の重要な戦力になってもらうには、上司がどう接していくかが問われていると思う。

※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため社名や個人名は全て仮名とし、一部に脚色を施しています。ご了承ください。