実のところ、陳さんは子どもに「勉強しろ」と厳しく当たるのではなく、趣味や興味・関心があることを重視し、ピアノやバイオリンなどを学ばせた。そこで徐々に才能を開花させ始めた長男は、当時の米国の先生からIQテストを受けるよう勧められる。

陳さんの長男は、東大に入学後、東大の大学院に進んでいる
陳さんの長男は、東大に入学後、東大の大学院に進んでいる ©東方新報

 その結果、素晴らしい潜在能力があることが分かった長男は、学校の判断で「飛び級」し、博士によるマンツーマンの補修授業も受けられるようになった。「個性化教育」を重視する米国の小学校ならではだ。

 日本に移り住んできてから、長男は日本の小学校を卒業後、東大合格者でトップクラスを誇る開成中学に入学。その後も順風満帆に進んで東大に合格し、現在は東大の大学院生となっている。

 子どもに「創造的思考や自分の考え方を持った人間になってほしい」と思っていた陳さんは、「絶対、東大に行け!」などと押しつけるようなことはしなかったという。それよりも、自分の興味あることを学び、楽しく成長してもらうことを優先させたという。

 それは弟の成長を見れば分かる。一般的にみれば、兄弟ともに才能があり、兄が東大に入ったとなれば、当然、弟もとなりそうなもの。しかし、弟は早稲田大学の付属中学でコンピュータプログラミングに熱中し、友達も多く楽しい学園生活を送っている。このままいけば弟は、進路を早稲田大学に決める可能性が高い。陳さんは「本人が楽しればそれでいい」と話す。

小さいころから英語のアニメを見せ
中国の自宅で使う言葉は日本語限定に

 一見、ごくありふれた若い主婦にしか見えない黄さん。愛想もよく、ユーモアを交えながら話す姿からは明るい人柄がうかがえる。しかし、子どもの話題になると、その眼は自信に満ち溢れ、プライドすら漂う。