最新のウエアラブル機器は心拍数を確実に測定し、使用者に異常を知らせてくれる。次は脳を確実に追跡し、精神衛生状態を教えてくれる技術が登場しそうだ。米イリノイ大学うつ・回復力センターの研究チームは、iPhone(アイフォーン)向けアプリ「BiAffect」を使用して入力パターンを追跡することで、ユーザーの気分や認知力(精神面のストレスを測る重要な指標)を観察できる技術の開発に取り組んでいる。初期の研究では、双極性障害や大うつ病性障害を抱えるユーザーの入力習慣の変化を見ることで、そう病やうつ病エピソード(症状発現)を予測できることが明らかになった。例えば、そう病エピソードの前には入力ミスが増えたり、入力速度が速まったり、「消去」キーを使う頻度が増えたりするほか、スマートフォンの傾きや向きを測定する加速度計で震えが検出されたりする場合がある。うつ病エピソードの際には、電子機器の使用を避けるようになり、メッセージは短くなり、送る頻度も減る傾向がある。