「論理的な人間」が勘や直観を苦手とする、本当の理由写真はイメージです Photo:PIXTA

拙著、『知性を磨く』(光文社新書)では、21世紀には、「思想」「ビジョン」「志」「戦略」「戦術」「技術」「人間力」という7つのレベルの知性を垂直統合した人材が、「21世紀の変革リーダー」として活躍することを述べた。第56回の講義では、「技術」に焦点を当て、拙著『人は、誰もが「多重人格」 − 誰も語らなかった「才能開花の技法」』(光文社新書)において述べたテーマを取り上げよう。

誰の中にも眠る「多様な才能」

 今回の連載では、人は誰もが自分の中に「複数の人格」を持っているということを述べてきた。

 そして、一流のプロフェッショナルは、置かれている場面や状況に応じて、その「複数の人格」の中から「適切な人格」を表に出して仕事をしていること、その「人格の切り替え」を滑らかに行っていることを述べてきた。

 なぜならば、この連載で何度も述べてきたように、「人格」とは「才能」だからである。一流のプロフェッショナルが、場面や状況に応じて「様々な才能」を発揮できるのは、彼らが、自分の中に「様々な人格」を持ち、それを自在に表に出すことができるからに他ならない。

 逆に言えば、もし、我々が、仕事において「一つの人格」だけで処するということを行っていると、自分の中にある「様々な人格」が育つことができず、結果として、自分の中に眠る「様々な才能」を開花させることができなくなってしまう

 そして、このことを理解すると、「能力開発」と「才能開花」についての、全く新たな技法が存在することに気がつくだろう。