過去10年で最大級となっている今年の新興国資産売りは、これまでとは違う途上国の変化を浮き彫りにしている。米金利上昇と貿易摩擦が引き金となった今回の新興国売りは、ドル建て債務への依存度が高いアルゼンチンやトルコなどの国に集中している。他国も圧迫されてはいるが、外貨依存度が相対的に低いことからそれほど打撃を受けていない。途上国経済のそれ以外の変化にも今年の極端なボラティリティーの一因がある。かつて新興国市場に融資していたのは主に銀行だったが、今では資産運用会社がそうした国々の債券や株を買うことで供給する資金の方が多い。貸し手やファンドにリスクが広まるため、この点は重要だ。また、相場変動の拡大につながる可能性もある。銀行の融資と違い、投資家は資金を引き揚げられるからだ。
新興国資産の売り、過去との違いを分析
WSJは今年の相場下落を過去3回の下落と比較した
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