XPUMP

 さまざまな環境で音楽や動画を楽しめるようになった昨今。スマホはもちろん、ノートPCやタブレットなど、いつでもどこでも気軽に見られる環境を利用する機会もぐっと増えているのではないだろうか? しかし、テレビならある程度しっかりしたスピーカーが備わっているし、音にもこだわっているが、スマホやノートPCで音にこだわった製品は数える程度。でも音楽はもちろん、動画を見るならやはりいい音で聞きたいというのが本音だろう。そこで登場するのが、小さいながら良質な音を生み出すオーディオデバイス『XPUMP』だ。

XPUMP
↑『XPUMP(XRD-XP02)』(実売価格1万3000円前後)は小型で軽量なため、持ち運びで苦にならない

 本製品は、台湾のEmbrace Audio Labが開発したサラウンドプロセッサーで、独自のサラウンドサウンドアルゴリズム「XROUND」を採用。ボディーサイズは92(W)×27(D)×15.5(H)mm、重さが35gと小型軽量で、バッテリー内蔵のためモバイル環境でも最大7時間利用可能だ。

 音の入力は2通りあり、USB経由と3.5mmステレオミニジャック経由が選択できる。PCならUSB経由、スマホなら3.5mmステレオミニジャックを利用するといいだろう。デュアルコアオーディオプロセッサを採用し、10万分の1秒という処理能力でリアルタイムに入力された音を分析。左右の音を分離させてクリアにするとともに、立体的なサラウンド環境を生み出し、2chのステレオスピーカーやヘッドホンでもホームシアターのような空間を実現する。

XPUMP
↑右が入力で3.5mmステレオミニジャックかUSB経由。電源オンのときはサイドのLEDが白色に光る

 接続は非常にシンプルで、入力側にケーブルを接続し、出力側にヘッドホンやスピーカーを接続するだけ。あとは出力先に合わせてモードを選択すると電源が入り、音が聞こえるようになる。本体上部にある丸い「XROUNDレベル」ボタンを押すと、2段階でサウンド効果を変えられる。LEDがついていない状態だとバイパス(入力された音そのまま)、1回押すとLEDが白く光り「STUDIO」レベル、もう1回押すとLEDがオレンジに変わり「CINEMA」レベルだ。ボリュームはPCやスマホの音量を調整しつつ、本製品側で微調整するといいだろう。

XPUMP
↑丸いボタンがXROUNDレベルボタン。
XPUMP
XPUMP
バイパスはLEDが光らず、「STUDIO」レベルが白色、「CINEMA」レベルがオレンジ色に発光する

 スマホやノートPCの場合、家のなかで利用するだけでなく、外出先で使う機会が多いだろう。そんなときでも本製品は、持ち運び用のポーチが同梱しているため、オーディオケーブルとあわせて収納して持ち出せる。利用する際に取り出して、ヘッドホンをつけて一人で楽しむのもよし、モバイルスピーカーとあわせて、みんなで楽しむのもよし。用途に合わせていい音響で音楽や動画を堪能できる。

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↑同梱されている持ち運び用のポーチ。本体とケーブル2本が入る

貧弱な音も臨場感あふれるサウンドにしてくれる

 それでは実際に使ってみよう。まずはノートPCに付属のUSBケーブルを接続してセッティング。USBを利用すれば音も聞けて、なおかつ本製品のバッテリー切れを心配する必要がなく一石二鳥だ。本製品の電源をオンにすると、自動的にデバイスドライバーが認識されるので、接続さえ済めば特に何もする必要がない。

 XPUMPを使用する前に、まずノートPC本体から音を鳴らしてみたが、高域ばかりが目立った感じで低域がスカスカなため、とても音がいいとは言い難い。ヘッドホン端子にヘッドホンを差して聴くと低域から高域にかけてしっかり響いているので、スピーカーの性能によるところが大きいのだろう。

 ノートPCのみの音を確認したところで、本製品からの出力に替えて、エレコムのハイレゾヘッドホンを接続して聴いてみた。「XROUNDレベル」ボタンを押して「STUDIO」レベルにしてみると、明らかに音の明瞭感がアップした。特に高音域に広がりが生まれ、とても聞きやすくなっている。特にハイハットシンバルなどの明瞭感に違いが現れた。

 さらに「CINEMA」レベルにすると、低域の厚みが増し、重低音が味わえるようになる。より音の広がりが生まれるため、ボーカルも明瞭になり非常に心地よい。ドンシャリ好きの筆者にとっては、XPUMPの効果は満足の行くものだった。ヘッドホンの質によっては、逆に低音が効きすぎて「STUDIO」レベルでも十分なこともあるかもしれない。

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↑ロジクールのモバイルスピーカー「Ultimate Ears BOOM 2」と組み合わせて聴く。アウトドアスピーカーとの組み合わせなら、屋外でも楽しく利用できるだろう

 イヤホンの他に、ロジクールのモバイルスピーカー「Ultimate Ears BOOM 2」も使ってみた。こちらは360度に音が広がる単体のスピーカーなのであまり期待しなかったのだが、モードをスピーカーにして試したところ、「CINEMA」レベルにすると音の広がりが段違い。「本当にシングルスピーカーなのか?」と思うほどで、ノーマルより本製品を介したほうがだんぜん音がよくなる。ただし、もともとステレオスピーカーとの接続を想定して開発されているとのことなので、スピーカーユニットを2基搭載する製品を使用したほうが最大限の性能を発揮できるだろう。

XPUMP
↑左がボリュームで右が電源を兼ねたモードスイッチ

 続いて、音楽ではなくAmazon Prime Videoで映画も見てみたが、こちらはやはり「CINEMA」レベルのほうが、臨場感が増して低音の響きも良くなるのでオススメ。機関銃の乾いた銃撃音とか、川を流れるせせらぎなどは、音の広がりによりリアル感が増す。

 本製品はスマホでも問題なく利用できるということで、こちらも実際に試してみた。iPhone XSに変換ケーブルを接続してオーディオケーブルから本製品へ入力し、モバイルPCと同様にヘッドホンとモバイルスピーカーで聴いてみた。

XPUMP
↑iPhone XSと「XPUMP」との組み合わせ。変換ケーブルを使用

 やはりモバイルPCと同様、ヘッドホンでそのまま聴くよりは、明らかに低域が増し、音の明瞭感と広がりが生まれた。個人的には「CINEMA」レベルのほうが好きだが、楽曲によっては「STUDIO」レベルでもいいかもしれない。

 また動画も見てみたが、こちらもモバイルPCと同様、「CINEMA」レベルにすると臨場感が増して、小さな画面であってもホームシアター感覚を味わえる。ゲームもプレイしてみたところ、一番効果的なのはやはりシューター系のゲームだろう。「フォートナイト」をプレイしてみたが、音の明瞭感が増すため、敵がどこにいるのかを把握しやすくなる。

XPUMP
↑Epic GamesのiOS版「フォートナイト」の画面

 スマホの場合は、1人でヘッドホンをして音楽や動画を楽しむのもいいが、モバイルスピーカーとの接続をオススメしたい。友人宅へ遊びに行ったり、みんなとパーティーやバーベキューなどをするときなど、本製品とセットで持ち込めば、友人みんなと音楽を楽しめる。普通に鳴らすよりだんぜん音質がよく、ボリュームもそれなりに大きくできるので、盛り上がること間違いなしだ。

XPUMP
↑スマホ+XPUMP+モバイルスピーカーは、パーティーやバーベキューにもピッタリだろう

 XPUMPの現在の実売価格は1万3000円前後と、先日の価格改定により購入しやすくなっているのも魅力だ。超小型で軽量のため、ポケットやカバンに入れても負担にならないため、持ち運ぶアイテムとしては最適と言える。ケーブルを接続するだけで音響を改善してくれるので、1度本製品を通して聞いてしまうと、ノーマルの状態では物足りなさを感じるはずだ。スマホで利用するとき、近くにコンセントが有るなら、USB給電器を使って電源を供給しながら使えば、時間を気にせずに音楽を流し続けられるだろう。これまであまり音にこだわっていなかった人は、XPUMPを導入して、その効果を体験してみてほしい。

こうやって使ってる!
編集部員試用レポート!

XPUMP

使用した人:ASCII編集部 貝塚

 週刊アスキー編集部メンバー。得意分野はカメラやオーディオ系ガジェット。

 XPUMPは3Dオーディオシアターという珍しいジャンルの製品。手持ちのイヤフォンやヘッドフォン、スピーカーを接続することで、手軽にサラウンド感を与えることができるという、面白い仕様だ。

 モードは「STUDIO」と「CINEMA」の2種類。STUDIOモードはポータブルアンプに近く、音源や接続した出力デバイスのポテンシャルを高めてくれるモード。CINEMAモードは、映画やゲームでの利用時に、映画館で楽しむ音響のような、空間的な広がりを与えてくれるというモードだ。

 今回は手持ちのヘッドフォン「SHR1540」で試用してみたが、STUDIOモードでは、音の輪郭をはっきりさせて、よりダイレクト感を楽しめる音像を作り出してくれる。たとえば、録音品質のあまりよくない、輪郭がぼやっとした音源に適用すれば、今風の、ぱきっとした音作りに近いニュアンスが得られる。低域はわかりやすく増強できるが、中~高域の密度感も高まるため、音源の印象も大きく変わるはずだ。

 CINEMAモードは、もっとわかりやすい味付けが付加される。2chのステレオ音源が5.1chのような広がりを持つ……とまで言っては言い過ぎだが、2ch音源の平坦な感じを飛び越えて、頭の後ろや、顔の前に音があるかのような聞こえ方をしてくれるので、アクション映画や、FPSと組み合わせると、より楽しく鑑賞やプレイができるだろう。集合住宅では、大きな音が出せない物件がほとんどだが、XPUMPを使うことで、記事的に優れた音響で、大音量で楽しんでいるかのような気分が味わえる。

 加えて、こうした効果を特別な設定なしで簡単に反映させられるのが、これまでのオーディオデバイスと一線を画す点であるとも言える。PCやデバイスにあまり詳しくない、という人でも使いやすいでしょうし、とにかく手軽に音のクオリティーを高めたい、という人なら購入を検討するのがいいですね。

XPUMP

使用した人:ASCII編集部 モーダル小嶋

 週刊アスキー編集部メンバー。主にグルメ、エンタメなどの記事を手掛けることが多いが、音楽にも一家言ある。

 STUDIOモードは、ナチュラルに音の輪郭を強めてくれるような印象で、ポータブルアンプをつないだときに近いと思います。違いがよくわかるのはCINEMAモード。これは高域も低域も迫力が増して、音がぐっと出てくる感じがします。自然なサラウンドの感じが出るので、音楽だけでなく、映画鑑賞やゲームと組み合わせると面白いと思います。アマゾンのFire TV Stickや、グーグルのChromecastのようなモバイル端末と組み合わせて使うのもよさそうですね。

 携帯できるサイズなので、スマートフォンや携帯プレーヤーと組み合わせて使うのも面白そうですし、テレビやパソコン、スピーカーと組み合わせて、サラウンド効果を楽しみながらの映画鑑賞もアリだと思います。


(提供:アーキサイト)

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