レビュー
凡人には成し得ないようなすばらしい成果をあげている人を見ると、生まれつきの才能はあるものだとわたしたちは思いがちだ。しかし才能に恵まれている人がいつも成果をあげているかというと、かならずしもそうではない。生来の才能があっても正しいマインドがないために、その才能を生かせずに終わってしまう人も多いのである。その反対に、一見すると才能には恵まれていないように思える人が、コツコツと努力して、才能がある人間よりも大きな成果を生むこともある。
スタンフォード大学心理学教授であり、人間の思考様式を研究する著者は、人は変われるという信念のもと、「しなやかマインドセット」の重要性を説いている。人は変わらないし能力は生まれつき固定されていると考える「硬直マインドセット」の人は、生まれつきの優秀さを証明することに躍起になり、一度の失敗で挫折を感じてしまう。それに対して、しなやかマインドセットをもっている人は、能力は常に伸ばしていけると考えているので、自分の過失も正面から受け止めることができるのだという。