この花粉症などのアレルギー症状における免疫システムの過剰反応は、他方で、免疫システムの監視機能が強化されていることを意味します。これが、ガンの発症を防ぐ効果を
もたらすのだろうと考えられています。

 1つの細胞がガン化しても、通常は、免疫システムがガン化した異常細胞を発見して破壊します。この免疫システムの働きによって、ガン細胞の多くは排除されます。しかし、ガン細胞が免疫系の監視をくぐりぬけたり、免疫系の機能低下などで破壊されないと、ガン細胞は増殖してかたまり(悪性腫瘍)となり、免疫システムでは破壊が困難になります。花粉症の過敏な免疫は、ガン化した異常細胞をまめに発見して破壊してくれるのかもしれません。

 しかし、残念ながら、すべてのガンに予防効果があるわけではなく、例えば、肺ガンや乳ガンなどではこの予防効果はみられないようです。どうやら特定の部位に関連したメカニズムがあるようです。

花粉症の予防に
プロバイオティクス食品

 今年の花粉の量は、昨春に比べて関東や東北では少なめ、東海、北陸から九州地方にかけては多めということです。少ないといっても、花粉症の症状を引き起こすには十分な量の花粉が飛ぶということですから、花粉症の方は準備を怠りなく。花粉症でない方も突然に発症することがありますから油断はできません。

 花粉症は、免疫システムが花粉を異物と誤解してIgE抗体をつくることから始まります。この抗体が付着した肥満細胞が、鼻などの粘膜にたくさん蓄積されると、花粉症を発症する準備が整います。新たに侵入してきた花粉が、この肥満細胞でIgE抗体と結合すると花粉症の症状を引き起こす物質が放出されます。

 花粉症の方の対策はもとより花粉症の予防も花粉を回避することにつきますが、乳酸菌食品も予防に役立つかもしれません。乳酸菌が生きたまま腸に届くプロバイオティクスのヨーグルトや乳酸菌飲料には、IgE抗体の生産を抑える働きがあることが報告されています。ただし効果が出るまで時間がかかりますので、早めに食べ始めることが必要です。

 なお、花粉症の健康食品として良く知られている甜茶やシソなどは、ヒスタミンのような直接に症状を引き起こす物質の作用を抑えて症状を和らげます。

 また、もし症状が出た場合は、医療機関を受診することが確実な症状の緩和につながります。例年の症状が重い方は、早めに治療を受けることで軽くすることができるでしょう。