世界最大のIT(情報技術)企業であるアップルは、業界史上最大規模の株価下落でおおむね痛手を免れた。しかしそのアップルでさえも、つけを払うときが訪れる。アップル株は発表後の時間外取引で下落した。原因は2つあった。1つは、新型iPhone(アイフォーン)発売が重なる10-12月期(2019年第1四半期)の売上高見通しが期待外れだったこと。もう1つは、今後は決算で端末の販売台数内訳を開示しないと想定外の方針を明らかにしたことだ。同社の2018年度通期のiPhone、iPad(アイパッド)、Mac(マック)、アップルウオッチなどの端末の売上高は2280億ドル超と、総売上高の85%以上を占める。つまり今回の決定は投資家にとって、世界最大の時価総額を誇る企業の主な成長源が大幅に把握しにくくなるということだ。成長源を知ることは重要だ。アップルはこの1年にふさわしい称賛を受けてきた。端末の販売台数がほぼ横ばいだったにもかかわらず、主にによって売上高を伸ばすことに成功したためだ。アップル株は1日の決算発表を前に年初来で31%以上上昇し、先月のもわずか3%の下げでしのいだ。10月のナスダック総合株価指数の騰落率は9.2%の下落だった。