SOSすら発することができず、孤独感に苛まれている人もいます。他人に頼ることは、本人のプライドが許さないのかもしれません。

日々、クレーマーと向き合っていると、自分の気持ちと折り合いがつかなくなることがあるでしょう。時には「そこまで言うなら、白黒つけようじゃないか!」と反撃したくなるかもしれません。もちろんそれは危険です。かといって、じっと我慢しているだけでは「姑息な自分」に腹が立ってきます。

では、どうすればいいのでしょうか?

私の方法は「いきなり行動しない」ということです。まずは、『クレーム対応「完全撃退」マニュアル』でも紹介している「臍下丹田呼吸法」や「足指ストレッチ」で心を整え、その間に自分の怒りが過ぎ去るのを待つのです。

これらは私が警察官時代に身につけた方法ですが、今は、怒りを抑える「アンガーマネジメント」の方法論について、専門家の本もたくさん出ています。自分なりの「やり過ごす技術」を身につけることが、結果的に自分を守ることになるでしょう。

ただ、それでも事態が好転するとは限りません。

その場合、私は個人的に、「自分がやっつけなくても、いつか誰かが“倍返し”してくれる」と考えるようにしています。天罰がくだると信じて、自分の心を落ちつかせるのです。

「すべてのお客様に満足してもらうために、完璧な対応をしなければならない」と考える余裕のなさが、モンスタークレーマーの狙いどころでもあるのです。

半歩退いたり、事態を見守ったりすることで、相手の攻撃をかわすことができるのです。

『クレーム対応「完全撃退」マニュアル』では、最新のクレーム事例を40以上紹介しながら、対面・メール・電話あらゆる場面における正しい対応法、ネット炎上を鎮火させる方法、高齢化に伴い増加している「シルバーモンスター」の実態と対策など、クレーマーの“終わりなき要求”を断ち切る23の技術を余すところなく紹介しています。

ぜひ、現場で使い倒していただき、万全の危機管理体制を整えた上で「顧客満足」を追求してください。

(参考記事)

「カスタマーハラスメント」に店長が逆上。メッタ刺しにした痛ましい実例

「半殺しだよ」→「怖いです」
「SNSで拡散するぞ」→「困りましたね」
究極のクレーム対応“K言葉”の活用術