ただ、現代社会に生きる私たちの体内では、たえず多くの活性酸素が発生しています。食事から得るフィトケミカルやビタミン類は、ほとんどが、脳にたどり着く前に消費されてしまうのです。

 とくに、加工食品を頻繁に食べる人の腸では、食品添加物の害によって活性酸素が発生しやすくなっています。その場合、抗酸化物質は多くが腸で消費されてしまうことでしょう。

 また、フィトケミカルの一部やビタミンCは水溶性であり、体の外に流れ出やすい性質を持ちます。体に蓄えておくことができないのです。

 ではなぜ、イミダゾールペプチドは脳で効くのでしょうか。

1日100グラムの鶏むね肉を
最低2週間食べ続ける

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 食べ物に含まれるイミダゾールペプチドは、腸から消化吸収されると、血液中や肝臓にて「ヒスチジン」と「β-アラニン」という2種類のアミノ酸にいったん分解されます。これらのアミノ酸には抗酸化力がありません。

 ただ、骨格筋や脳内に運ばれると、再びイミダゾールペプチドに合成されます。脳内にてピンポイントでイミダゾールペプチドが作用しやすくなるのです。

 イミダゾールペプチドが、鶏むね肉に多く含まれるのは、鳥の元来の特徴に理由があります。

 渡り鳥は、非常に長い距離を飛翔します。それにもかかわらず疲れないのは、羽を動かす胸肉にイミダゾールペプチドが豊富に存在し、細胞の酸化を防いでいるためです。

 梶本先生は、1日200ミリグラムのイミダゾールペプチドをとるのが有効で、最低2週間ほど続けると脳の疲労回復に効果を得られるとしています。