米国の経済制裁の影響で景気が悪化するロシアは、今月中に発動が見込まれる追加制裁に備えて、ドルの使用を絶とうとしている。ロシアの中央銀行は今年、金の保有高を積み上げ、米国債を売却してきた。現在、これまでより多くの貿易取引の決済をルーブルや他の通貨で行う計画が進行中で、ドルの使用を避ける輸出業者への優遇税制も検討されている。ウラジーミル・プーチン大統領とロシアの中銀が後押しするいわゆる「脱ドル化」のプロセスは、欧米諸国がロシアの金融システムを標的として発動する新たな制裁の打撃を緩和するのに役立つはずだ。ロシア政府のこうした努力は、米国政府の輸入禁止措置に対する明白な報復であり、同時に国内の生産や投資を促進し、中国と連携を強化することで自国経済に予防措置を施す広範な取り組みの一環でもある。ロシア国営タス通信の報道によると、プーチン氏は先月、米国の制裁について、ドルの世界通貨としての信頼を損なう「重大な戦略的過ち」だとし、「自分が腰掛ける枝を切り落とそうとしている」と述べた。
米国の制裁、ロシアは脱ドル化で対抗
影響軽減のため、貿易決済でルーブルや他の通貨を奨励へ
有料会員限定
あなたにおすすめ