「ヒラリー・クリントン4.0」に向けて準備しよう。製作期間30年を超えるこの新版クリントンは2020年に大統領を目指す時には一周して元の位置に戻っていそうだ。1994年、進歩派として扇動してきた国民皆保険を断念した時に戻るのだ。クリントン氏は今度は最後まで戦い抜くだろう。2度の衝撃的敗北のようなささいなことで、大統領をあきらめはしないはずだ。道のりは長かった。1999年7月、クリントン氏は上院議員引退を控えていたダニエル・パトリック・モイニハン氏のニューヨーク州北部の地盤で、一人の政治家としての道を歩み出した。上院では、均衡予算、死刑存続、漸次的な医療保険制度改革といった政策を掲げていた。90年代初頭の自身と決別した格好だ。ヒラリー・クリントン2.0は、「(1人の子供を育てるには)村じゅうみんなの協力が必要」という共同体主義的な主張の成功を基に、ニューヨークのために成功すると訴える中道派だった。クリントン氏は宗教的なバックグラウンドを強調し、強いイスラエル支持を表明し、イラク戦争に賛成し、イランに対して強硬姿勢を見せた。