自動運転車は人間が乗る自動車やバスの他、無人配送車や無人店舗もある。4日間の滞在中だけでも自動車、バス、清掃車、2~3種類の無人店舗、2~3種類の配送車を見かけ、それぞれ2~3台以上の予備車両がシートをかけて停められていた。どの種類の自動運転車も、実験はほぼ毎日行われているようだ。市民中心の自動車道はどの角もピッタリ直角になっていて、碁盤の目のように整備され、地面の道路標識は機械で読み取りやすいように特殊なペイントになっている。

(5)機械での読み取りがしやすいような特殊な道路パターン/(6)メインストリートで無人バスの実験が続く。一般の自動車は入って来られない/(7)何種類・何台ものロボットが無造作に停められている/(8)駐車場にも自動運転車専用のスペースが大きく取られており、さまざまな自動運転車が出番を待っている
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 イベントや視察などで雄安新区には各地から中国人が訪れる。実際に、近隣の保定市に住んでいる友人がイベントに訪ねてきた。「イベント時には、登録すれば来ることができる」という。ただ、アクセスできる経路はきわめて限られ、一般の車は入って来られない。僕もイベントから戻るときに、政府が手配した迎えの車が入って来られず、市民服務中心の外まで歩く必要があったほどだ。

 そうした管理の下ではあるが、エリア内に誰もいないわけではないので、“普通の人”が歩いている環境で実験をすることができる。僕が見た時点の自動運転車はどれも、人間が簡単に避けられるような速度しか出していなかったし、周囲ではセグウェイに乗ったエンジニアが注意深く見守ってはいたが、さまざまな人が歩き回る環境の中、問題なく自動停止やすれ違いなどの一連の挙動をしていた。

 もちろん、やろうと思えば来訪者を完全にシャットアウトすることもできるだろう。僕は確認していないが、無人運転を助ける無線ビーコンなども整備されていそうだ。いずれにせよ、自動運転の実験にはうってつけの環境だろう。

自動運転バスと無人店舗、自動運転車同士のすれ違い。こういう近未来的な風景が雄安新区では随所で見られる。
自動運転車に群がり、思い思いにポーズをとったり記念撮影する人々と、その後ゆっくりと動き出す自動運転車。こういうSFめいた風景が見られるのは楽しい。