ただ、実務を通じて得ることができた成果はこれら4つだけではなく、5つ目の成果があったとこの生徒は振り返ります。それが(5)MBAは、自分が意思決定の能力を持つだけではなく、相手に意思決定させるための情報整理能力を得ることもできるというものでした。

 つまり、自身が意思決定できるようになるということは、相手に対して意思決定ができるネタを提供することが可能になるということなのです。この生徒の説得力あるMBAの分析に私は驚かされました。

MBAは“運転免許証”
経験を足し合わせて最適な道を

 MBAでの学習を通じて、腹落ちしていなかった課題へのアプローチ、もしくはヒントが見つかったという生徒はたくさんいます。意思決定をするための土台作りをMBAで学び、そこに自身の経験やネットワークを加えて解決策の枠を広げていくことで、自ら意思決定ができるようになる。同時に相手に意思決定のネタを提供する能力を得ることができるのです。

 ただし、MBAはそうした意思決定ができるようになるための“運転免許証”のようなもので、持っているから社会で使えるというものではありません。ペーパードライバーでは、経験がない限り、走行中の的確な意思決定は難しいのと同じです。

 自分が進みたい目的へ到達したい場合には、MBAという免許証を持ち、そこから個々人で積み重ねてきた経験を足し合わせて最適な道(best practice)を見つけることができるのです。

(グローバルアップライズコンサルティング社長 齋藤浩史)