しみけんさん
「女性がNOと言える余裕を与えられない男はクズ」

「『高級車に乗るより黙ってコンドームをつける男のほうがかっこいい』。このメッセージはしみけんさんが言ったから拍手が起こる。スローガンよりも、それを言う人がどんな人なのかが影響する。『AVはフィクションである』ことをAV業界の人が言ったから意味がある」(遠見さん)

 筆者も同じことを感じた。

 性教育の現場では、「なるべく子どもと年が近い人が教えるほうがいいのでは」「(お互いに気まずさがあるため)教師よりも外部講師を呼ぶほうがいい」という声を聞くことがある。さらに、若者に人気のタレントであれば興味関心を引きやすいだろうし、「性のエンタテイナー」と認識されているAV俳優には説得力がある。

 さすがに義務教育や高校でAV俳優を呼ぶわけにはいかないだろうから、大学生ならではの企画と感じた。

 講演を聞きに来ていたひとり、助産師で、「シオリーヌ」の名前でネット上でも発信する大貫詩織さんも言う。

「性教育を私たち助産師のような専門家が語ると、どうしても堅苦しい印象になり、若い世代へは届きづらい部分も少なくないと思います。その点今回のイベントでは、若者が日常的に触れる性のコンテンツであるAVの俳優陣が性を語るということで、学ぶことへのハードルがぐっと下がっていたのではないでしょうか」(大貫さん)

「例えば実際にしみけんさんが『セックスの最中に、女性がNOと言える余裕を与えられない男はクズだね』など、ユーモアを交えてお話されていた場面でも、たくさんの男子学生が真剣に聞き入っている様子が印象的でした」(同)

 もう「一に押し、二に押し、三に押し」の時代ではなく、「No means No」であるという意識が、男性からも語られつつある。