中国の習近平国家主席は20日、中国首脳として13年ぶりにフィリピンを訪問した。投資や援助拡大などを確約したほか、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が支援するインフラ整備計画に数十億ドルを振り向けるため、多くの合意にも署名した。週末に開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)会議では、貿易・安全保障・投資などを巡り米中の対立が先鋭化。習主席がフィリピンに協力姿勢をアピールする背景には、アジア地域における米中の覇権争いが激しさを増していることがある。ドゥテルテ大統領にとっては、習主席のこうした約束は、南シナ海での領有権争いで中国への対立姿勢を改め、米国から中国寄りへと転換した自身の戦略が奏功していると示すことになる。
習主席、比訪問で協力訴え アジアで米と影響力競う
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