ドナルド・トランプ米大統領は、就任1年目で軍事支出を7000億ドル(約79兆円)に拡大し、国防総省にとってこれまでで一番の味方であることを印象付けようとした。この予算拡大は、より近代化された兵器を購入し、準備不足に対処することを意図していた。しかし、国防予算の拡大期は短命に終わるかもしれない。連邦予算の赤字が膨れ上がる一方で、米国の軍事的任務は、ロシア、中国との間で激化する軍備競争を含むものへと拡大しており、新たな戦略をめぐる論議が熱を帯びてきている。国防総省が2020年度の予算要求を提出する来年初めからは激しい綱引きが始まる。国防総省当局者としての経験を持つトーマス・マンケン氏は「戦略と、それを実行するための予算との間にミスマッチがある」と指摘、「われわれは、この問題を単純に金で解決することはできない。革新的な戦略概念と能力が必要だ」と語る。同氏は、トランプ政権の国防戦略に関する議会の諮問機関「国家防衛戦略委員会」のメンバーでもある。
米国の軍事費縮小、戦略論議を激化へ
トランプ大統領の国防予算拡大が終わり、優先事項を巡る綱引きが始まる
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