ランドン・クプファー氏(23)は1年前、シリコンバレーの夢の一端をつかんだと思った。米カリフォルニア州に拠点を置く電気自動車(EV)メーカー、テスラのフレモント工場の品質管理担当者として採用されたのだ。テスラで働く特典は多かった。同社の車を運転できるほか、友人たちの反応も上々で、めったに会わない人でさえ、注目度の高いハイテク企業で働くことについてあれこれ知りたがった。「あの会社に就職したのは非常にわくわくすることだった」。こう振り返るクプファー氏は、自動車修理や窓の取り付け作業の経験はあったものの、テスラへの就職は手が届かないと考えていた。だが興奮もつかの間、大量生産に向けた複雑な問題に直面した。創業以来の著しい変化の時期にあたり、新型セダン「モデル3」の生産台数引き上げに苦闘していた。同氏のチームは毎週厳しくなる生産目標を必死でクリアした。「1つのゴールを目指して努力し、それを達成すると、また次のゴールが現れる」。同氏は数カ月後、サンフランシスコ・ベイエリアを去り、テキサス州に移り住むことにした。テキサスのほうが生活費が安い、と同氏は語った。
「テスラに就職」 米国の若者に人気のわけ
抗し難い魅力、クビになっても応援
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