「ドラマみたい!」稲垣吾郎さんが感動
流木で海をわたって助かった「ロードハウナナフシ」
「ゴロウ・デラックス」では、絶滅した動物にくわえて「絶滅しそうでしなかった動物」も紹介された。なかでも稲垣吾郎さんが思わず「そんなことあるの!?」「ドラマみたい!」と感動したのが、著者・丸山貴史さんも大好きな「ロードハウナナフシ」だ。
(本文より抜粋)
【ロードハウナナフシの冒険】
第1章 命がけの大脱出!
その夜、私は頼りない流木にしがみつき、大海原にのり出した。行き先は不明。命がけの脱出だ……!
すみなれたロードハウ島を離れるのは、心苦しかった。しかし人間が島にやってきた以上、とどまるのは危険だ。人間は、私たちを「陸のザリガニ」とよんで、釣りのエサに使った。まあ、ギリギリそれはいい。問題はクマネズミだ。やつらは人間といっしょにやってきて、私たちをかたっぱしから食べていった。そのせいで私たちは、絶滅寸前にまで追いこまれたのだ……!
翌朝、目が覚めると私は、ピラミッドのような崖がそびえ立つ無人島に流れついていた。わずかながら植物もある。私は、決心した。
「……そうだ、もう一度、ここからやり直すんだ!」
もう少し詳しく知ろう
ロードハウナナフシは、もとの生息地であるオーストラリアのロードハウ島では、クマネズミの侵入によって1920年に絶滅している。ところが、1960年代になってロードハウ島から16km離れたボールズ・ピラミッドで再発見された。ここは高さ562mの岩山で、背の低い植物がはりつくように生えているだけだが、ロッククライマーに死体が拾われたことから調査が行われ、生存が確認された。
(本原稿は、今泉忠明監修、丸山貴史著『わけあって絶滅しました。』の内容を編集して掲載しています)