米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は28日、政策金利は中立金利に関するFRB当局者の幅広い推定値を「若干下回る」水準にあるとの認識を示した。ニューヨークのエコノミック・クラブでの講演で述べた。議長は10月初旬、政策金利は「中立から程遠い水準にある」と述べていた。そのため、この日の発言は従来の立場からの軌道修正との見方が広がり、米株価は大きく値を上げた。一方で、議長は政策金利は依然、歴史的には低水準にあるとし、12月18〜19日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げに踏み切るとの市場の観測を払しょくするような手掛かりは何も提供しなかった。パウエル議長は「金融政策に既定路線はない」とし、「入手する経済・金融データが何を示唆しているのか、丹念に精査していく」とした。