EVが発電所の一部に?
広がる活用の可能性

 大きく分けて、EV活用の方向性は3つある。

 1つはEVを蓄電池として、家庭用の電力供給源として利用することだ。これはV2H(Vehicle to Home)と呼ばれるもので、EVと住宅との間で電力をやり取りするシステムのことである。

 11月、日産自動車はソーラーパネルとEV、車載バッテリーに蓄電された電力を家庭に供給するV2Hシステム「Nissan Energy Home」を公開した。太陽光発電ができないタイミングでは、EVであるリーフに貯めた電力を家に供給する仕組みだ。こうした家庭とEVのつながりは、実用化が見え始めている。

 次に、太陽光発電や風力発電の余剰電力のバッファとして利用する方法だ。これは、G2V(Grid to Vehicle)といい、再エネ電源が余った場合にグリッドからEVに電気を流しこめるシステムだ。

 さらに活用を推し進めたものが「V2G」(Vehicle to Grid)、つまり車両から電力系統に電力を供給し、電力系統の需給調整などに役立てるシステムである。

 すでに実証も始まっている。日本では、東日本大震災が契機となり、太陽光や風力など再生可能エネルギーの発電量が急速に増えたが、それらの電力は天候などで需給調整が難しい。安定的に活用したいという背景もあり、2016年の「日本再興戦略」でVPP(仮想発電所/Virtual Power Plant)活用が明記された。同年、産学連携の「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスフォーラム」が発足し、経済産業省のVPP構築実証事業が開始された。