現在、事業所や家庭における太陽光発電などと紐づいた蓄電池やEVなどの分散型エネルギーを一括で制御し、余った電力を蓄電池に貯めて必要があれば放電し、1つの発電所のように利用するVPPの実現が期待されている。ここにV2Gの技術は欠かせない。

 資源エネルギー庁が開始した「V2Gアグリゲーター事業」には、東京電力ホールディングス、九州電力、東北電力、豊田通商が幹事会社を務める4つの事業が採択されている。

 今年1月には関西電力、日産自動車、住友電気工業が共同で、計60台のEVやPHV(プラグインハイブリッド車)の充電を遠隔操作する実証実験を行ったり、10月には東京電力・日産自動車など4社がEV蓄電池を活用し、蓄電池を電力系統に接続して充放電するV2G(Vehicle to Grid)の共同実証を開始したりしている。

課題は「蓄電池」
全固体電池が突破口に

 EVは新エネシフトのために、大きな可能性を秘めている。では現実的に、EVはそうした活用を進めることができるのだろうか。

 最もネックとなるのが、車載蓄電池の抱える諸問題だ。現在、EVバッテリーはリチウムイオン電池を搭載している。ただ、このバッテリー代がEVの価格を押し上げる要因になっている。

 エネルギー密度が足りず、EVはハイブリッド車に比べて、エネルギー部分の体積当たりの走行距離が約15分の1しかないため、できるだけ多くの電池を積まなくてはならない。その結果、車両価格の3分の1がバッテリー代となってしまい、ガソリン車より割高になるというわけだ。