AIをカメラに応用し、スマートフォンのカメラを花にかざすと、名前などを解説してくれるグーグルレンズなどはその典型だ。
ただし、搭載されるのはこうした身の回り品だけではない。
米国シリコンバレーのベンチャー、ブルーリバーテクノロジーの農業用トラクターは、画像認識と機械学習によって、レタスの間引きや雑草取りを自動的にこなす。
トラクター後部に取り付けられた画像認識カメラで、一つ一つの芽を識別し、間引くかどうかを判別。それぞれの芽に応じた肥料の散布や雑草の除去も引き受ける。
日本メーカーの中からも、新しい動きが出てきている。工場のベルトコンベヤーで流れる原材料の受け入れ検査などに、活用する例が出始めた。これまでは人が目視ではじいていた作業を、画像認識でAIがやってくれるわけだ。
さらには、工場の製造ラインで機械が壊れそうだという予兆を、AIで検知しようという取り組みも現れた。製造機械の故障を1カ月前につかみ、防ごうというのである。今後、多くの企業の注目を集めることになりそうだ。
【音声インターフェース】
音声認識の組み込みで広がるビジネス機会
二つ目のキーワードは「音声インターフェース」だ。
アマゾンエコーやグーグルホームといったAIアシスタントデバイスが広まり、企業サイドの期待が高まってきている。
アマゾンやグーグルなどが提供する音声認識サービス機能を、企業が自らのサービスや商品に組み込む動きが増えていく。
実際、米国のホテルでは、客室にアマゾンエコーなどを設置し、「ルームコンシェルジュ」とするサービスが急速に広がっている。