いくら良い銘柄を選んでも
株価は下がるときは下がる

 そこで筆者は、ファンダメンタル分析とテクニカル分析の両方を活用しています。しかしこれにはほかの理由もあります。

 実のところ、ファンダメンタル分析だけでなくテクニカル分析(特に株価チャート分析)も併せて使うべきと考える最大の理由は、どんなに成長性が高くとも、どんなに割安であろうとも、株価は下がるときは結構大きく下がるからです。

 サンドラッグ(9989)という会社があります。この会社は20年以上増収増益を続けていることで有名で、その業績から考えれば投資対象に十分なりうる銘柄です。

 ところが、20年以上増収増益にもかかわらず、株価は右肩上がりに上昇してはいません。2006年2月~2009年3月のように数年間で高値から半値以下に下がったこともあります。

  もし、株価チャートを見て、下降トレンドに転換したのを確認した後に売却し、上昇トレンド復帰を確認してから買い直せば、そのまま保有を続けるよりも投資成果がかなり向上したはずです。

 また、最近では好業績のDeNA(2432)の株価がわずか半年で高値から60%も下落したのが記憶に新しいところです(DeNAの場合は将来の成長期待を株価が高値をつける過程ですべて織り込んでしまったからかもしれませんが)。

 割安株についても、ワキタ(8125)のように業績は悪くなく、財政状態も問題ないのに、2008年初めの時点で600円(PBR0.4倍)と明らかに割安な株価が、1年間でさらに半値の300円(PBR0.2倍)にまで下がってしまう……こんなこともざらにあります。

 このように、いくら高成長でも、いくら割安でも、株価のトレンドに逆らっていては大きく負けてしまうのです。