ゴーン事件と官民ファンド騒動に共通する「官」の凄まじき独善性
ゴーン氏の逮捕が波紋を広げる一方、官民ファンドの産業革新投資機構が経営陣の報酬を巡って経産省と対立する騒動が噴出。両者の騒動には、共通する深刻な問題点が見える(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ゴーン容疑者の逮捕に
違和感を覚えるのはなぜか?

 過去数週間、ずっと日産自動車のカルロス・ゴーン元会長の逮捕が世間を賑わせていますが、今週になって、官民ファンドの産業革新投資機構が経営陣の報酬水準を巡って経産省と対立するという報道がありました。

 この両者の騒動には、共通するある深刻な問題点があるのではないかと思います。といっても、トップの高額な報酬ではありません。官の組織に特有の独善的な思考です。

 ゴーン容疑者の逮捕については、これだけ多くの報道が連日行われているので、その詳細は改めて述べませんが、本件はある意味で異常な事件ではないかと思っています。

 ゴーン容疑者が5年間で50億円も役員報酬を過少に有価証券報告書に記載していたというのは、上場企業の役員として不誠実極まりありません。日産の子会社に自分が住むために海外の不動産を購入させていたり、勤務実態もないのに家族に報酬を支払わせていたりしたのも、事実であれば論外です。

 そう考えると、東京地検特捜部による逮捕も当然に見えてしまうかもしれませんが、よく考えると、本来経営者によるこれほどの不正があった場合、まずは日産の社内で粛々と対応するのが筋ではないでしょうか。

 具体的には、西川社長以下の経営陣がゴーン容疑者の不正の情報を掴んだのなら、まず社内で事実を徹底的に調べ上げ、それを踏まえて取締役会で粛々とゴーン容疑者を解任すべきだったのです。そうした企業のガバナンスの観点から当たり前の行動が一切取られず、いきなり東京地検特捜部がゴーン容疑者を逮捕するということには、大きな違和感を拭えません。

 もちろん、ゴーン容疑者の行為は金額が大きく悪質性も高いと考えられるかもしれません。毎日のようにさまざまなゴーン容疑者の不正が報道されているので、そうした印象を持つ人は多いはずです。