株価が下落している。10月に1割以上下落した株価は、11月には若干持ち直したように見えたが、今週、再び下落している。こうなると、株式市場の雰囲気がすっかり暗くなる。
株価には、ひとたび大幅に下落すると、下落がさらなる下落を招くメカニズムが働きかねない。そうなると、初心者にはこの世の終わりがきたように感じられ、“狼狽売り”をしてしまう場合も多い。
株価の下落幅を増幅させる
メカニズムが働く
普通は、価格が下がると買い注文が増える。株式の場合も、「適正株価を下回っているから買おう」という買い注文が増える場合が多い。ただし、反対の力も働くので、綱引きとなる。
反対の力には種々あるが、その主なものは「売りたくない売り」だ。1つは借金で株を買っている投資家が、不安になった銀行から借金の返済を迫られて、泣く泣く株を売る場合だ。個人投資家が信用取引に失敗して「追加証拠金」を請求され、泣く泣く売却する場合も同様だ。「株価は割安で、今なら買い増すチャンスなのに、売らされる」のはさぞ悔しいだろう。