皆さん、こんにちは。三井住友アセットマネジメント調査部です。毎週土曜日に「ビジネスマン注目!来週の経済、ここがポイント」をお届けしています。
金融市場で注目が高まっていた米中首脳会談が12月1日に行われました。広く報道されている通り、来年1月からの米側の追加関税引き上げが先送りされたこと、技術移転や知的財産権の保護などの5項目について米中間で協議を行うことなどが合意され、金融市場では一旦、好感されました。しかし、その後、首脳会談前と比べて進捗がほとんどないと考えられること、中国の大手通信機器メーカー役員が米国の要請を受けてカナダで逮捕されたことなどにより、金融市場の動揺が続いています。
日本株も11月下旬から12月3日にかけて7日連続して上昇しましたが、世界的な金融市場の動揺の影響で、その後は短期的に急激に調整しています。
先々も米中貿易摩擦やBrexit(ブレグジット)、米国での長短金利逆転等、金融市場を取り巻く環境は不透明感が強く、多くの株式投資家にとって我慢を強いられる局面が続くとの見方もあります。そこで今回は、日本の株式市場を支える企業業績について、最近の経済統計や弊社の業績予想を交えて、確認してみたいと思います。
売り上げの伸びが続く企業業績
ただし、コスト増が収益を圧迫
12月3日に法人企業統計が発表されました。これは日本の企業活動の実態を把握する目的で財務省が作成している統計調査で、2万社以上の回答をまとめたデータが3ヵ月に1度発表されます。今回は、今年の7-9月期の全産業の売り上げ、経常利益や設備投資等の実績が発表されました。
全産業(金融・保険業除く)の業績を見ていくと、売り上げは好調が続きましたが、コストの増加を受けて利益の伸びは鈍化しました。