ウェルスナビCEOの柴山和久氏Photo by Kazutoshi Sumitomo

あらゆる産業で、新旧の世代交代が激しくなっている。だが、「日本にいるとそのダイナミズムをあまり感じられないことが問題だ」と、ウェルスナビCEOの柴山和久氏は指摘する。安定した大手企業からスタートアップへと意欲ある人材が流れていく背景には、働き方の問題もある。スタートアップ企業から見た「人材論」を語ってもらった。

多くの日本人を襲う
「ゆでガエル」のリスク

 変化が起きているにもかかわらず、そのスピードがあまりにゆっくりだと、人は「変化がない」と錯覚してしまう。世界を見渡せば、あらゆる国の産業で新旧の交代が激しくなっているのだが、日本にいると、そのダイナミズムを実感できない。

 ここに大きな落とし穴があると思っている。

 変化がないという前提に立てば、目の前の環境に合わせるのが合理的な行動だということになる。所属する会社のルールに適応し、その中だけで立身出世を図ることが正解のようにも見える。