「すんげえわかりやすくて面白い本。(中略)この本は、まちがいなく買いだ」
人気サイエンスライター竹内薫氏が、「日本経済新聞」(2018年11月22日付)で絶賛の『僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない』。
「宇宙は何でできてるの?」
「ビッグバンの時には何が起こったの?」
「ダークマターって何?」
「宇宙で僕らはひとりぼっちなの?」
こんな「まだ解かれていない宇宙の謎」を世界最高峰の解説+超わかりやすいマンガで学べる、まさに「世界一わかりやすくて面白い宇宙入門」だ。でも、そもそもなぜ未解決の宇宙の謎を追うことが、宇宙を理解する助けになるのか? その答えを「はじめに」よりご紹介しよう。(初出:2018年12月13日)

僕らが知っているのは、たった5%!?

僕らが知っている宇宙

 知りたくないかい? 宇宙がどうやって始まったのか、何でできているのか、どうやって終わるのか? 時間と空間はどうやってできたのか? 僕らは宇宙でひとりぼっちなのか?

 ごめん! この本を読んでも、どれひとつ答えはわからない。

 この本は、宇宙についてわかっていないことについて書いている。もう答えが出ているはずだと思っているかもしれないけれど、実はまだわかっていないいろんな大きな疑問についての本だ。

 宇宙についての何か深い疑問にすごい答えが出た、そういうニュースをよく聞く。でも、答えが出てくる前にその疑問のことを聞いたことがあるっていう人、どのくらいいるだろう?「まだ答えが出ていない大問題」はどのくらいたくさんあるんだろう? この本はそれを書いた本、未解決の疑問を紹介する本だ。

 宇宙最大の未解決問題にはどんなものがあるのか、どうしてまだ謎のままなのかを、ここから先のページで説明していこう。宇宙では何が起こっていて、宇宙は本当はどんなしくみなのか、その手掛かりがつかめているなんてとんでもない。読み終わる頃にはその理由がもっとよくわかっているはずだ。裏を返せば、どうして手掛かりがつかめていないのか、その手掛かりくらいはつかめると思う。

 この本のねらいは、僕らがどれほど無知なのかを突きつけてがっかりさせることじゃない。まだ探検されていない、とてつもなく広い未開の地にわくわくしてもらうのがねらいだ。宇宙の未解決の謎に1つ1つ触れるたび、それが解けたら人類にとってどんな意味があるのか、どんな驚きが隠れているのかがわかると思う。この世界を違ったふうに見つめてもらいたい。わかっていないことが何なのかがわかれば、未来がすごい可能性に満ちているのが見えてくるのだ。

 さあ、シートベルトを締めて肩の力を抜いて。未知の世界の探検だ。発見の第一歩は、何がわかっていないのかを理解すること。宇宙最大の謎をたどる旅に出発しよう。