11月の原油価格の下落率は約10年ぶりの大きさだった。原油相場は数年ぶり高値水準から30%余り落ち込んだ。この劇的な値動きを受け、投資家は来年にかけて世界の経済成長に及ぼす影響を見極めようとしている。原油価格急落の影響はすでに経済に波及し始めている。グラフで紹介しよう。原油価格が下がると、主要な原油輸出国の経済成長が圧迫され、逆に輸入大国は恩恵を受けることとなる。原油価格が安くなると新興国通貨は上昇しやすい。輸入国が同じ量の原油を買うために必要とするドルの需要が減るためだ。アナリストの一部は、原油相場の下落は弱含みの経済指標だとみている。歴史的にみて輸送量や出荷量の減少と連動していることが多いからだ。