英国の欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)をめぐる同国政府の失態は、同国と欧大陸諸国の間で共有するものが1つは残っていることを示している。それは、西欧諸国を統治することが次第に難しくなっているということだ。国内の新たな分断が、どんな政策を推進する場合でも過半数の支持の確保を難しくしている。英国のテリーザ・メイ首相は、自ら取りまとめEUと合意したEU離脱協定案をめぐり、11日に予定されていた、自身の辞任につながりかねない惨敗の回避を図った。この数週間は、2016年の英国民投票で離脱が決まって以来、ブレグジットをめぐって最も緊迫した期間となった。一方、フランス、イタリア、ドイツ、スペインでも同様に、一触即発の政治ドラマが展開されている。その争点や筋書きは国によって異なる。米ジョージア大学で政治学を教えるカス・ムッデ氏は、論議の的となっているポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭のような国際的潮流にもかかわらず「欧州の政治は今も引き続き、何よりもまず国別の政治だ」と述べている。