年々増え続ける在日中国人。法務省の統計で、彼らの居住地域を都道府県別に調べてみると、東京都、神奈川県、埼玉県など、特に首都圏に多いことがわかる。中国人といえば新宿や池袋を思い浮かべる人が多いと思うが、富裕層に話を聞いてみると、彼らの住まい選びには“ある特徴”があることが分かった。(ジャーナリスト 中島 恵)
在日中国人は
海辺に近い物件を好む
「よく名前が挙がるのは豊洲、勝どき、月島、お台場、田町、品川などの比較的海辺に近いタワーマンションや高級マンションですね。海辺は風水的に見て運気がよいだけでなく、窓から見える眺望がすばらしいですから。この付近を選ぶのは東京オリンピックの影響もあるかもしれませんが…」
こう話すのは東京・池袋で不動産業を営む中国人男性のAさんだ。
Aさんは大手不動産会社を経て独立。現在は主に中国人向けに物件を紹介している。「爆買い」が騒がれた3年前は、ワンルームマンションなどを購入する観光客への対応に忙しかったが、最近は日本に住む富裕層向けの物件も取り扱っている。
Aさんは「海辺の物件は風水的にいいんですよね。私はオフィスビルもあっせんしていますが、オフィスも同じです。最上階の眺めのいいところや、近くに川があって水が流れているところも中国人には人気。ポイントが高いのです。皇居に近い大手町もいいんですが、八丁堀とか浜松町も人気ですよ」と言う。
確かに海や川があるところは中国の風水の観点から見ていい、というのは多くの日本人も耳にしたことがあるし、日本人も可能ならば住んでみたいと思うところだ。
特に中国に住む中国人の場合、当たり前だが、海辺に住める人は沿海部にいる人だけに限られる。しかし、沿海部といっても、なだらかな海岸線は意外に少なく、沿海部にある省でも「海が見える家に住める」というのは多くはないこと。