サウジアラビア政府は、昨年から何度かあった政治的危機を受けて株価が下落した際、ひそかに多額の資金を投じて株価押し上げを図ってきた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が取引データを分析し、政府の介入について直接知る複数の関係者に取材したところ、サウジ政府は相場が下げている日の引け際などに大量の買い注文を入れていた。サウジの株式市場はムハンマド・ビン・サルマン皇太子の経済改革計画の柱だ。3年前に国を実質支配するようになった皇太子とその部下らは、外交関係の悪化を嫌気した投資家がサウジ株を売る場面に何度か直面した。最近では10月にコラムニストのジャマル・カショギ氏が殺害された事件がそれに当たる。