2人を支援するアクサグループの社員たち。旅の話は興味深い。
Photo by Haruo Wanibe

 現在、日本を縦断中だが、日本でも一般家庭を訪れるのだろうか。

「日本は特別な国だ。インフラがもっとも整っている国の一つだろう。チャージステーションがこれだけある国は、おそらく日本だけだ。欧州とアメリカを運転してきたが、各国と比較しても、非常にインフラの整備が進んでいる。10日間かけて東京から大阪まで運転するが、アメリカのようにドアをノックして、充電をお願いする必要は無いかもしれない」(アントニン)

 確かに、日本ではすでに急速充電設備が1000ヵ所弱ある。アメリカなどで一般家庭にお願いし、充電していたのは14時間だったが、日本の急速充電設備を使えば20分で済ませられる。もし、急速充電設備が必要なときに必ずあって、そこで充電していけば、最短で2~3日で長崎まで到着することが可能だという。

 ところが、これから訪れることになる東南アジア、中国内陸部、中央アジアとなれば話は別だ。

「基本的にコンセントさえあれば大丈夫。でも日本のように自動車ディーラーが至る所にある、ということはないだろう。それに政情が不安定なところもある。どうなるか分からないが、楽しんでやって行こうと思っている。」(シャビエール)

「正直、どうなるか分からない。中国を西へ進み、中央アジアへ行けば人口も減ってくる。しかし、念入りに旅の計画を練ってきたから、大丈夫だろう」(アントニン)

電気自動車の性能と
電気の使い方を啓蒙したい

 今回の旅を通して、2人は何を訴えたいのだろうか。

「旅の目的は電気自動車の普及に役に立ちたいということ。電気自動車は日本ではよく知られた存在だろうが、世界各地で捉え方はまったく違う。例えばフランスで
は、一部の人たちには将来の公共の交通網を担う存在だと思われている。公害問題や二酸化炭素の問題も解決できるかもしれない。しかし、一般の人にはほとんど知られていない」(アントニン)

「今回の旅を通して、電気自動車が世界を一周できるくらいの性能があるんだということを示したい。みんなに興味を持ってほしい。電気の使い方には、こういう方法もあるんだということ。それから、原発や風力、太陽光など、電気がどう生まれるのかについても意識を向けてくれればと思っている」(シャビエール)

 東日本大震災後、日本では原子力をはじめ、電力供給体制について国民的な関心事になった。今年の夏は、関西電力では大幅な電力不足に陥ることが確実視されている。日本国民が電力を含めたエネルギーに対する関心が高まっているこの時期に、電気自動車の啓蒙を目的に2人が日本を訪れたのは、絶好のタイミングだったのかもしれない。