ドナルド・トランプ米大統領が自らの業績を評価する指標として株式市場に絶大な信頼を寄せていることはよく知られている。株価が上昇している時――大統領就任以来しばしばそうだったが――トランプ氏は自らの政策のおかげだと述べてきた。しかしダウ工業株平均が2日にわたって急落するなど、今週のような下落局面ではどうか。好調な時だけ自らの功績だと主張するのは筋が通らない。トランプ氏が市場のシグナルを信じることは正しい。市場はどんな個人も及ばない力で、世界で起きている重要な出来事を消化し、将来についての経済的な賭けを行う。今週の市場は、3つの主要イベントを消化しなければならなかった。大統領が公然と反対する中での連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ決定、大統領が独断で突然決断した米軍のシリアからの撤退、そして21日夜からの政府機関閉鎖を回避するためのつなぎ予算案に対して、土壇場の20日に大統領が発した署名拒否の警告である。