年末に向かう金融市場は乱気流に突入し、投資家は損失を拡大中だ。年内さらに悲惨な状況になる恐れもあるが、優れた投資家とはこんな時にこそ利益を上げるものだ。株価は理由もなく下げているわけではない。欧州や中国をはじめ世界の至るところで成長が鈍化しており、来年の米経済減速を投資家は恐れている。世界の中央銀行が景気を刺激する時代は終わり、米連邦準備制度理事会(FRB)は保有資産の縮小を続け、欧州中央銀行(ECB)は債券の購入を停止しつつある。スティーブン・ムニューシン米財務長官は23日、誰もまだ考えていない金融市場のリスクを巡って安心感を与えようとしたが、こうしたワシントンの混迷も株価の足を引っ張っている。