彼らはそれを「ドリームキャッチャー」と呼ぶ。その仕事は、現在の気候科学者が直面する中でも特に重要かつ複雑な問題の解決を助けることだ。巨大な六角形をしたドリームキャッチャーはヘリコプターにつるされて南極の氷の上を進み、氷床を突き抜ける電磁波を発する。それはミイラに対するエックス線のような働きをする。南極のドライバレーは凍った湖や氷河が点在する岩場で生態系もできあがっている。科学者らはその氷の下に何があるのかを突き止めようとしている。答えは世界中の地域社会やインフラ、投資に影響するとみられる。塩水の上にある氷河は海に滑り落ちて海水面上昇の一因になる可能性が比較的高い。だが南極の氷の安定度は気候モデルで見落とされがちだ。