ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

2019年の仮想通貨で注目すべき動きは何か
――「イーサリアム」共同開発者のチャールズ・ホスキンソン氏に聞く

末岡洋子
2019年1月11日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
3
nextpage

インターネット規制の変遷が
仮想通貨には参考になる

――仮想通貨が本物のユーティリティになるのはどのぐらい先でしょうか? そのために必要な変化は?

 インフラ、ソフトウェア、規制の3つの点で変化が必要だ。

 インフラでは長期的な移行が始まっており、消費者側のスマートフォン、商店側のプログラマブルなPOSシステムなど、仮想通貨とは関係なく存在し、進化している。QRコードとスマートフォンを使った中国の「WeChat Pay」などのイノベーションが世界各国で起こっており、これらはプログラマブルなので仮想通貨を簡単に加えることができる。

 ソフトウェア分野では、開発者が数ヵ月、数年がかりで相互運用するためのサポートを加える作業が必要だ。一部ですでに始まっており、動きは速い。

 規制側は、慣れていない考え方が強いられることになる。ある資産から他の資産に変換する。歴史を見ても、金が株式に変わったことはないが、仮想通貨の世界ではコモディティが証券になるし、ユーティリティトークンへの変換も可能だ。法律、条約、国際理解などを新しくしていく必要がある。これは簡単なことではない。誰が主導するのか、決定するのか、それとも国別に決めるのか。

 ここでヒントになりそうなのが、インターネットと規制の関係だ。それまで我々は本、新聞など紙ベースの媒体から情報を得ていたが、突然デジタルになった。情報は1つの国から別の国に、簡単に流れるようになった。政治家や弁護士がこれを理解するのに多少の時間がかかった。デジタル音楽黎明期のNapster問題(音楽ファイル共有サービス)を覚えているだろうか? それまでカセットやCDといった物理媒体で音楽を購入していたのがMP3というデジタルフォーマットになり、どこでも持ち歩くことができるようになった。当時、レコード業界などは大きな反発をしたが、結論はビジネスモデルを変えることで生き残りを図った。現在はSpotify、Pandoraといったデジタル音楽サービスが生まれ、アーティストがどのように収益を得るのかで新しいビジネスモデルが生まれた。消費者もこれらのサービスを受け入れている。

 時間としては、インフラは約10年、ソフトウェアは3~5年、規制は5年以上が(変化に)必要だ。

previous page
3
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

末岡洋子

すえおか・ようこ/フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。

IT&ビジネス 業界ウォッチ

IT業界で話題の新サービス・新製品のニュース、これから話題になりそうな新ツール、知っておきたい各種の統計調査……などなど、経営効率化に寄与するIT業界の今のうごきをレポートします。

「IT&ビジネス 業界ウォッチ」

⇒バックナンバー一覧