勉強の5段階説?
知識習得から越境変容まで

 ここで、実業の世界における「勉強の5段階説」について、解説していきたい(なお、こちらは、私個人の認識枠組みなので、学問知を欲する方の求めるものではないかもしれない)。

(1)知識習得段階

「枠組みの決まっている体系化された知識、ノウハウを習得するために努力する」段階。

(2)問題解決段階

 既存の体系的な枠組みの中から、「問題解決に適切な思考認識・行動パターンを探索、抽出し(勉強し)、それを問題解決に活用しようとする」段階。このとき、自分の関心が体系的な枠組みの中のどの領域を扱っているのか、なぜそこを使っているのか、を自分なりに客観視し、自覚できるようになれば、同段階の中でもかなりの上級レベルである。

(3)視野拡大段階

 (2)で既存の枠組みの中に十分に有効な手だてが発見できない場合、「他の知識体系や領域の中にヒントを探す活動(勉強)をする」段階。人によっては、特定の問題の解決に限定せず、「常日頃から(潜在的な問題も含めた)問題解決のヒントになる事象がないか気をつけて外部と接している」人もいる。

(4)検証適用段階

 (3)の中で有望なヒントや事象を見つけた場合、それがどのような歴史的背景のなかでどう生成され、現在、他の要素との関係においてどう機能しているかを学習、理解した上で、「自分の問題解決にどのように応用できるかをシミュレーション(勉強)し、適用を遂行することを習慣としている」段階。(4)をしっかりとやることで、他領域の知見が問題解決に意味のあるものになる可能性が高まる。

(5)越境変容段階

「((3)(4)で関わった)自分にとっての新しい領域を深く学ぶべく格闘し、自分が変わっていく」(勉強)段階。その際、自分がこれまで使用してきた思考行動パターンの割合が縮小し、新しく獲得した思考認識や行動パターンと融合することで、新しい世界観や言語体系を獲得することができる。

 ビジネスにおける勉強とは、おおよそこのようなものであろう。