ゲームの解、予測される結末ともいえるこのナッシュ均衡がどこにあるか。ゲーム理論の思考とは、それを見抜くことに他ならない。

 ところが、AとBにとって最適な反応であるはずの「自白-自白」による利得は、よく見れば「黙秘-黙秘」よりも随分と低い。2人が合理的に選択した結果、望ましくない状態に至ってしまう。しかも抜け出しにくい。これを「囚人のジレンマ」と呼ぶ。

 囚人の黙秘を相手に対する「協力」、自白を「裏切り」や「非協力」と言い換えれば、プレーヤーそれぞれの合理性は、全体の合理性と一致しないケースがよくあることが分かるはずだ。

値下げ競争
職場の問題でも囚人のジレンマ