英議会は15日、テリーザ・メイ英首相が欧州連合(EU)と合意した離脱案について採決に踏み切る。だが、合意案を巡っては、野党のみならず、与党・保守党からも反対の声が根強い。メイ政権は第二次世界大戦以降で最悪の大敗北を喫する可能性があるとみられている。否決されれば、3月29日の期限を約10週間後に控え、EU離脱を巡る混迷がますます深まりかねない。一部では、否決されてもメイ首相は合意案を修正した上で、数日後に再び議会採決にかけるとの見方も出ている。メイ首相は昨年12月、党内の信任投票を切り抜けた後、2022年の次回選挙までに首相の座を退く考えを表明し、一定の政治的猶予を得た。たとえ、15日の採決で敗北を喫しても、メイ政権が崩壊する公算は小さいもようだ。