あらゆる火災死が煙に関係している

 夜間、住宅街の一角にある民家から出火し、その家に住む家族全員が焼死する、といった痛ましい事故は現代でも多く発生しています。一言で「焼死」といっても、「炎で焼ける」「熱風で焼ける」「煙で窒息する」「煙で気道熱傷を負う」と細かく分類でき、またはそれらが複合的に襲ってくる、など様々なケースが存在します。しかし、実際の火災現場で焼死と判断された事例のうち、その大部分が煙が原因になっていることはご存知でしたか?

火災による死因別死者発生状況の推移のグラフ

火災による死因別死者発生状況の推移(出典:総務省消防庁HP http://www.fdma.go.jp/html/hakusho/h29/h29/html/shiryo1-1-18.html) 拡大画像表示

 上のグラフをご覧ください。これは「火災による死因別死者発生状況の推移」です。過去5年間、死因はいずれも「一酸化炭素中毒・窒息」と「火傷」が2大要因であることがわかります。

 一軒家で火災が発生するとほぼ全焼となり、その後の検死ではほとんど焼死になります。「火傷」の死因ですが、有毒ガスで動けなくなり(呼吸はしている)、この状態で炎で焼死したものは、すべて「火傷」による焼死扱いとなります。「一酸化炭素中毒・窒息」は火傷の跡もなく死亡しているご遺体です。つまり、火災による死因は、ほとんどが煙による中毒死なのです。

 火災によって人はどのように死傷するのか。もう少し詳しく過程を検証すると、火災の煙がいかに危険性の高いものかがよくわかります。