1.炎による死傷

 着衣着火は代表的な例です。爆発による瞬間的な爆炎で死傷することもあります。ただ、こうした場合でも、火災の炎が直接原因で死亡することはなく、実は「煙の吸引」が死因であることが多いのです。

 例えば爆発のように、室内で瞬間的に炎が上がるときは、周りの空気中の酸素を一気に消費するため、瞬間的に現場が酸素欠乏状態となり、気を失います。酸欠で落ちる状態です。倒れたままで動いてませんが、その間にも呼吸はしているので、その後に大量の煙が発生すると、それを吸い続け、やがて死に至ります。

■新幹線焼身自殺事件(死亡された被害者女性の方の例)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E9%81%93%E6%96%B0%E5%B9%B9%E7%B7%9A%E7%81%AB%E7%81%BD%E4%BA%8B%E4%BB%B6

■名古屋立てこもり爆破事件(被害者の警察官の方の例)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8D%E5%8F%A4%E5%B1%8B%E7%AB%8B%E3%81%A6%E3%81%93%E3%82%82%E3%82%8A%E6%94%BE%E7%81%AB%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 2.火災の熱による死傷

 熱には大きく2種類があります。放射熱(輻射熱)と熱気流です。

 放射熱は光と同じように直進します。強力な白熱電球を想像してください。直接近づけば熱さを感じますが、遮蔽物を間に入れると熱さは和らぎます。ですから、鏡のような反射素材である程度の熱は跳ね返すことができます。

 熱気流は強力なドライヤーで熱風を出している状態と想像してください。

 ただし、決まった一点に熱風を吹き付けるのとは違い、火災時に発生する熱気流は大型のオーブンに閉じ込められたような大量の風量です。そして、それらは風ですので遮蔽物を回り込んできます。